なぜ苦手科目、苦手範囲が出来るのか?
一言で「苦手」といっても、その内容は人によって様々です。
中学生がよくいうのは「数学が苦手」「国語が苦手」「一次関数が苦手」等々です。
では、「○○が苦手」と言っている生徒に、具体的にどう苦手なのかを聞いてみると、かえってくる答えは「難しいから」「わからないから」が多いです。そこで実際に問題を解きながら、どこでつまづいているのかを観察すると、大きく分けて
1.全く理解していない。
2.間違って理解している。
3.基本はわかっているが応用が出来ない。
の3パターンに分かれると思います。
全く理解していな場合
これは苦手以前に嫌い(興味がない)の場合が多いです。たとえは「歴史が嫌い」、「オームの法則」が嫌い等です。
人それぞれ好き嫌いはあるので仕方ないことですが、嫌いだからと言って必ず苦手になるとは限りません。嫌い(興味がない)だから勉強していないだけで、少し興味を持たせてあげれば、テストで点数を取れる生徒も多いです。
この「興味を待たせる」事が意外に難しいのですが、ちょっとしたきっかけさえあれば自分から「興味を持つ」事はよくあることです。
どうしたら興味を持つの?
やはり大事なのは「人からやらされる」のではなく「自分からやる」ということになります。
ではどうやって「自分からやる」生徒に変えてあげるのかですが、まずは、わかる(理解できる)状態を作ってあげることです。そのためにはよく言われている「スモールステップ」になります。
初めは、すこしづつで構わないので、わかる(理解できる)達成感を与えてあげることが大切です。
間違って理解している場合
これは基本が出来ていないときに良く起きる現象ですが、基本をやり直せば解決するというわけではなく、間違いに気づかないことに問題があります。
自分が間違っている事に気がつかなければ、その間違いを自分で直すことはできません。つまり、誰かに指摘されるまで、間違ったままになってしまうということです。その間違いの積み重ねが「わからない」になってしまいます。
間違いに気付くためには
この対策にも「スモールステップ」が有効です。やはり「自分からやる」という気持ちがないと自分の間違いを自分で気づくことは難しいです。
基本はわかっているが応用が出来ない場合
これも意外に厄介です。
基本が出来ているということは、それなりに理解できているということですから、まったく嫌い(興味がない)なわけでもなく、自分の間違いにもある程度気づけるということです。
なぜ応用が出来ないのか
これはある意味「教えられ上手」な生徒に起こりがちです。「教えられ上手」とはわからない事はすぐに質問し、その回答を正しく理解出来るということです。
これなら、授業も順調にこなせますし、基本もよく理解できます。ただ、これだと教えてくれる誰かがいないと、その先に進めない場合が出てきます。教えてもらって、知識はあるけれど、その知識を使いこなすことが出来なければ、応用問題に対応することはできないでしょう。
応用力を付けるには
対策としては、これも「スモールステップ」がいいのですが、この場合は自分で目標設定が出来ることが望ましいです。本人主導で勉強を進めることが出来れば、自分の持っている知識を有効に活用できるようになります。あとは、本当にわからないところを教えてあげれば応用力はついていきます。
苦手を克服するには
苦手をすぐに克服するのは、簡単ではありませんが1人ひとりの状況を正しく判断してあげれば対策はあります。 受験では、得意をのばすことも大切ですが、早めに苦手対策をすることも同じぐらい大切です。